ドッグフードが散りばめられている画像

愛犬の健康のために無添加のドッグフードを探してるけど、一体どれを選べばいいのか迷っていませんか。実は、無添加と記載されているものすべてが、完全に無添加というわけではありません。この記事では、無添加表示の意味と無添加のペットフードの正しい選び方についてお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

無添加と記載されていても、100%無添加とは限らない

無添加表示の基準としては、人工添加物・保存料・着色料・香料のうちどれか1種類以上を使用していなければ、無添加ドッグフードと表記することができます。そのため、無添加という表記がされていても完全に無添加ではない場合があるので要注意です。品質を維持するためにどうしても必要となってしまう添加物。ここでは、具体的にどのような用途で使われるのかをお伝えしますのでチェックしてみてください。

品質を維持するために添加物が必要となる

製造過程で、保存性を高めるためにオイルコーティングされるドッグフード。オイルコーティングした油が酸化して、品質が下がることを防ぐための酸化防止剤として添加物が使われます。また、腐敗を防ぐために防腐剤として使われる場合もあり、製造されてから犬の口に入れられるまでに、品質を維持するために使われるのが添加物の一つの役割です。

総合栄養食には添加物は欠かせない

総合栄養食とは、栄養のバランスが調整されたフードのこと。主に、主食として食べられるドッグフードです。総合栄養食は、ペットフード公正委員会が定める栄養基準をクリアする必要がありますが、そのためには、製造過程で失われる栄養素を後から添加して補わなければいけません。そこで使用されるのが添加物です。自然由来の食材をどれだけ低温調理したとしても、必ず製造過程で栄養素が失われてしまうため、栄養を添加しなければ栄養基準をクリアすることは難しくなります。

嗜好性を高める目的で使われる

「〇〇フレーバー」のような嗜好性を高めるために、香料が使われる場合があります。品質には大きく関わらないため香料のような添加物は、できるだけ無添加のものが望ましいでしょう。ただし、風味づけの役割を持つものとして、チキンオイルやサーモンオイルのように、ドライフードの粒にコーティングして、ビタミンやミネラルなどの栄養素が損なわれるのを防ぐ役割をする添加物もあります。この場合の添加物は、品質を維持してくれる重要な原材料と言えます。

無添加ドッグフードの正しい選び方

ここまで、無添加と記載されているドッグフードが、必ずしも100%無添加ではないということをお伝えしました。では、無添加のドッグフードはどのように選べばいいのでしょうか。ここでは、愛犬の健康に優しい、無添加ドッグフードの選ぶポイントについてお伝えしますので、ぜひチェックしてみてください。

どんな添加物が不使用なのか明記されているものを買おう!

添加物を使用した場合は、使用した添加物をすべて記載することが、ペットフード安全法で義務付けられています。ただし、中には、香料や膨張剤など「添加物」と一括表記してもOKなものもあり、原材料表記を見ただけではどの添加物が使われていて、どの添加物が不使用なのかがはっきりとは分かりづらいです。

ペットフードの中には、「〇〇不使用」・「〇〇無添加」など明記してくれているものがあるので、特に香料・着色料など品質に大きく影響しないものが無添加だと、はっきりと判断できるドッグフードを選びましょう。

できるだけ天然由来の酸化防止剤を使っているものをチェック!

ドッグフードの酸化を防ぎ、長期保存を可能にする酸化防止剤。自然由来のものが使われいるフードを選ぶようにしましょう。酸化防止剤には、人工的に作った合成添加物と自然由来の天然添加物の2種類があります。

合成添加物は、酸化防止効果は強力なものの発がん性や皮膚のトラブルの原因になったりするため、ペットフード安全法によって使用量が決められています。一方で、自然由来の酸化防止剤は、酸化防止効果はそれほど高くないものの、自然由来の成分のため健康への影響は、合成添加物に比べると大きくはありません。自然由来の酸化防止剤としては、ローズマリー抽出物・トコフェロール・クエン酸などがあります。

注意すべき添加物を知って、入っていないものをチョイスしよう!

ドッグフードによく使われる添加物の中には、発がん性物質が含まれていたり、人間用の食事には使用が禁止されているものがあったりします。愛犬の健康のために、どんな添加物が使われていて、犬の身体にどんな影響を与える可能性があるのかについて知っておきましょう。そして、できる限りこれから紹介する添加物が入っていないものを選ぶようにすることをおすすめします。

エトキシキン

エトキシキンは、ペットフード安全法によって使用量の規制がかかっている添加物の一つです。がん・アレルギー反応・皮膚疾患・内臓障害・異常行動などのリスクがあります。

BHA(ブチルヒドロキシアニソール)

主に、酸化防止剤として使われるBHA。化粧品などにも使用されます。がん・歩行障害・呼吸困難・消化器官の出血などを引き起こすリスクがあるので、要注意です。

BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)

日本では飼料添加物・食品添加物として指定されているBHT。ドッグフード以外にも、化粧品・ゴム・石油製品の酸化防止剤または防腐剤としても使用。がん・変異原性(遺伝子情報に変化を引き起こす)などのリスクがあります。

プロピレングリコール

毒性も低く、厚生労働省から指定添加物として認可されているプロピレングリコール。人体にはほとんど害がないとされ、着色料や香料の溶剤・防腐剤・品質改良剤として使用されています。しかし一方で、犬が過剰に摂取した場合、元気消失・運動失調・発作・痙攣(けいれん)・パンディング(あえぎ呼吸)・貧血などの症状が出る恐れがあるため注意が必要です。

亜硝酸ナトリウム

毒物および劇物取締法で「劇物*」にに指定されている亜硝酸ナトリウム

Notes

劇物とは?
毒性が強く、少量でも身体を著しく害する性質を持っているもの。
(参照元:東京都福祉保健局

ソルビン酸カリウム

防腐剤として食品によく使われる食品添加物ソルビン酸カリウム。他の食品添加物と組み合わされることで発がん性が出ることが指摘されています。単体でも危険性があると言われていますが、加えて他の食品添加物との組み合わせで発がん性のリスクがあるので、ソルビン酸カリウムの入っている食品は避けるようにするのがいいでしょう。

グリシリジン・アンモニエート

安いドッグフードによく使われているグリシリジン・アンモニエート。安全性がいまだ確認できておらず、人間用の食品には使用を禁じられいてる人工甘味料です。甘味が強いため、ドッグフードの食いつきを良くするために使われるものですが、安全性が確保されていない以上、グリシリジン・アンモニエートが含まれるドッグフードは避けることをおすすめします。

没食子酸プロピル

日本ではバターなどの油類に多く用いられる酸化防止剤没食子酸(もっしょくしさん)プロピル。発がん性は確認されていませんが、マウスを使った実験では変異原性*が認められています。

厚生労働省によって指定食品添加物として認められているものの、やはり食品添加物は身体にとって必要ではないもののなので、できる限り摂取しないことがおすすめです。酸化防止剤としては、天然のものであるミックストコフェロール・ビタミンE・ローズマリーなどが使われているものを選ぶようにしましょう。

Notes

変異原性とは?
変異原性とは、生物の遺伝情報(DNAの塩基配列あるいは染色体の構造や数)に不可逆的な変化を引き起こす性質のことです。変異原性は放射線や紫外線、環境汚染物質のほか、食品の加工調理中に生成する物質などにも認められており、細胞がん化の誘発因子として知られています。
(参照元:ヤクルト中央研究所

着色料

ドッグフードに色味をつけて見栄えを良くし、購買意欲をそそるために使われる着色料。発がん性物質なためアメリカやヨーロッパでは使用が禁止されています。身体にとって不要な物質な上、健康被害のリスクもあるものなので、着色料の入ったドッグフードは避けるべきでしょう。着色料としてはタール色素・青色◯号・赤色◯号といった表記のものがあるので注意してチェックすることをおすすめします。

合成調味料

ドッグフードの食いつきをよくするために使われる合成調味料。調味料の成分が不明なので、安全性が確保されない以上与えるべきではないでしょう。

まずは、普段食べさせているドッグフードの原材料表示を確認してみましょう!

まずは、普段購入しているドッグフードの原材料表示を確認してみてください。少なくとも、この記事で紹介した食品添加物が入っているものはすぐにでも廃棄し、愛犬の健康にいいドッグフードを購入するようにしましょう。この記事少しでお役に立てれば幸いです。