ジーンズのポケットに植物を入れている画像

2015年国連で加盟国の全会一致で採択されたSDGsをきっかけに少しずつ広まってきた「エシカル消費」。一体どんなことを指しているのでしょうか。この記事では具体例を挙げてお伝えするとともに、なぜ今エシカル消費をする必要があるのかについても触れていきます。

Notes
SDGsとは?
SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年に国連サミットで加盟国の全会一致で採択された世界目標です。2030年までに自然・社会・経済が持続可能でより良い世界になることを目指して17の達成目標が設定されています。

はじめに

身近な行動の中に『エシカル消費』につながることがたくさんあります。この記事を通して、あなたのエシカル消費に対する理解が深まり、実際の行動につながれば幸いです。

エシカル消費とは?

家の中でスマホを操作している女性の画像

エシカル消費とは、製造から廃棄されるまでの過程の中で、地球や自然環境、人権などに配慮して行う消費行動のことです。

もともとのエシカルは「倫理的な」という意味です。一般的には、「法的な縛りはないけど、多くの人たちが正しいと思うことで、人間が本来持つ良心から発生した社会的な規範」という意味合いになります。

インドの人権活動家でノーベル平和賞受賞者のカイラシュ・サティヤルティ氏は「エシカル」の意味について次のように言っています。

自分にとって良いことが、他の人にとって、また、地球にとって悪いことでなければ、それは倫理的です。自分が人生を楽しんでいても、それが他の人の犠牲やいかなる形であれ、搾取や虐待の上に成り立つものであってはなりません。自然に対する搾取もです。

エシカル協会では、エシカル消費をさらに環境消費・社会消費・地域消費と具体的な3つに分類しています。ここでは、それぞれの内容についてお伝えします。

環境に配慮した「環境消費」

少女が木を植えている画像

環境消費は、私たちが地球や地球に住む動植物と共存しているという自覚を持って、環境に思いやりを持って消費活動をおこなうことを指しています。エコ商品・リサイクル商品の購入、FSC認証やMSC認証ラベルのついた商品の購入、自然エネルギーの利用などが挙げられます。

私たち人間が地球で生活しているというスケールで考えると、たくさんの動植物や自然と共存していることがわかります。しかし、これまで人間の私利私欲のために大量生産・大量消費・大量廃棄が日常化して、私たちの生活を支えてくれている地球環境にエネルギー資源の枯渇・地球温暖化・海洋汚染などの大きなダメージを与えてしまっています。

地球や環境に配慮した消費活動をおこなうことで、少しでも地球への負担を少なくすることができれば、持続可能な世界を実現することができます。

人・社会に配慮した「社会消費」

子どもが畑で作業をしている画像

社会消費は、フェアトレード商品・エシカルファッションなど、発展途上国の生産者の生活や労働者の労働環境に配慮した商品を購入することです。私たちが、安価で高品質なものが買えていた裏には、発展途上国の生産者に対する不当な取引、労働者に対する過酷で劣悪な労働環境の存在がありました。

社会消費をおこなうことで、このような不当に扱われてきた人たちを救うことに繋がりますし、途上国の環境がよくなればさらに高品質な商品を手に入れることも期待できます。

地域に配慮した「地域消費」

ローカル野菜が並べてある画像

地域消費は、地元で作られた食べ物や商品の購入「地産地消」・被災地で作られた食べ物や商品「被災地産品」を買うことをいいます。長距離輸送による資源の大量消費・CO2や排気ガスの大量排出によって地球にたくさんのダメージを与えてきてしまいました。

地産地消・被災地産品の購入をおこなうことで、自然環境の改善だけでなく地域経済の活性化にも繋がります。

なぜエシカル消費をおこなう必要があるのか

地球温暖化の阻止を訴えてたプレートを持っている女性の画像

今世界で喫緊の課題とされている貧困・人権問題・気候変動。エシカル消費は、地球上の喫緊の課題すべてに対して有効な手段なのです。

なぜなら、地球で起こっている問題は、私たちの大量生産・大量消費がもとになっているからです。先進国の人たちの欲を満たすために途上国の人たちが搾取され、資源を大量消費して地球の再生能力をはるかに上回るスピードで資源を使ってしまっています。

私たちの日々の消費活動を地球・自然・人に配慮したものに変えることできれば、地球環境・自然環境・人権に対して大きな影響を与えることができます。私たちの消費活動はそれだけ大きな力を持っているということなのです。

日本はエシカル消費の後進国?

日本のスクランブル交差点を多くの人が行き交っている画像

エシカル消費を代表するフェアトレード小売販売額で見ると、フェアトレードに対する意識が高いといわれるスイスは9,369万ユーロ(約112億円)に対して、日本は6億3,058万ユーロ(約756億円)となっています。一人当たりに換算すると、スイスが8,988円で、日本は89円と100倍近くの差があるのが現状です。

一方で、エシカル消費に対する認知度は少しずつ上昇傾向にあり、2016年に6.0%、2019年に12.2%と上昇した認知度は、2020年度の調査で24.0%と約2倍になりました。

しかし、「本当にエコなのか確信が持てない」・「価格が高い」などの理由から、エシカル消費に一歩踏み出せずにいる人たちも多く、日本はまだまだエシカル消費の後進国だと言えます。

エシカル消費をおこなうだけでSDGsの複数の目標達成に貢献できる

海でペットボトルのごみを拾っている画像

SDGsは、2030年までに持続可能な世界の実現に向けて達成すべき17の目標を設定していて、地球に住む人たち全員で17の目標を達成するための行動を起こすことが大きな目的です。

SDGs17の目標は、次の項目で構成されています。

目標1 貧困をなくそう
目標2 飢餓をゼロに
目標3 すべての人に健康と福祉を
目標4 質の高い教育をみんなに
目標5 ジェンダー平等を実現しよう
目標6 安全な水とトイレを世界中に
目標7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
目標8 働きがいも経済成長も
目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標10 人や国の不平等をなくそう
目標11 住み続けられるまちづくりを
目標12 つくる責任 つかう責任
目標13 気候変動に具体的な対策を
目標14 海の豊かさを守ろう
目標15 陸の豊かさも守ろう
目標16 平和と公正をすべての人に
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

エシカル消費をおこなうことで、SDGsを構成する目標の中の「目標1:貧困をなくそう」・「目標10:人や国の不平等をなくそう」・「目標12:つくる責任 つかう責任」・「目標13:気候変動に具体的な対策を」・「目標14:海の豊かさを守ろう」・「目標15:陸の豊かさも守ろう」といった6つの目標達成に貢献できます。

エシカル消費の具体例・今すぐできること

日常生活の身近なところからおこなえるエシカル消費。ここでは、環境・社会・人・地域・動物福祉の5つの分野に分けて具体例をお伝えします。どれも今すぐにできることなので、一つからでもできることを生活に取り入れていきましょう。

環境に配慮したエシカル消費の具体例

エコ商品・リサイクル製品・資源保護等に関する認証ラベルが貼ってある商品を購入することで、環境に配慮したエシカル消費に貢献できます。ここからは、それぞれのラベルの商品を購入することについて具体的にお伝えします。

エコ商品・リサイクル商品を購入する

エコラベルが表記されているノートの画像

エコ商品・リサイクル商品を購入することでエシカル消費に貢献できます。エコ商品・リサイクル商品にはそれぞれエコマークやリサイクルマークといった「環境ラベル」が商品パッケージに付いていますので、環境ラベルを目印に商品を購入しましょう。

エコ商品・リサイクル商品の代表的なものには、再生紙をつかったノートやトイレットペーパー・プラスチックをリサイクルして作った家具や文房具などがあります。

FSC認証・MSC認証ラベルのついた商品を購入する

女性が樹木の調査を行なっている画像

海や森林の保護や動植物に配慮して作られた製品にはFSC認証・MSC認証といったエコラベルが付けられています。FSC認証・MSC認証ラベルのついた商品を購入することでエシカル消費に貢献できます。

FSC認証ラベルは、自然環境や動植物を守り、森林に依存する人や林業従事者の人権を尊重して、適切に管理されていると認められた木材や紙に付けられるラベルです。FSC認証を受けた木材をつかって作られた商品に付けられるラベルがFSC認証ラベルです。

MSC認証ラベルは、「海のエコラベル」といわれ、水産資源や環境に配慮した持続可能な漁業に対して付けられるラベルです。MSC認証を受けた漁業でとられた水産物に対して付けられるラベルがMSC認証ラベルです。

社会に配慮したエシカル消費

フェアトレード商品・寄付付き商品を買うことで社会に配慮したエシカル消費に貢献できます。ここでは、フェアトレード商品・寄付付き商品についてお伝えしたいと思います。

フェアトレード商品を購入する

コーヒー豆を手で掬い上げている画像

フェアトレード商品を買うためには、フェアトレードラベルの付いた商品を目印にして商品を購入しましょう。フェアトレード商品は、生産国の生産者や労働者と人権や生活を尊重し、公正な価格で取引した商品です。

これまで高品質な商品を安い価格で買うことができていたのは、不公正な取引や途上国の生産者・労働者の過酷で劣悪な労働環境の上で成り立っていたものでした。フェアトレード商品を買うことで、途上国に対する不公正な取引に終止符を打つことができます。

フェアトレード商品には、主にコーヒー・紅茶・砂糖・果物・ハーブ・ワインなどがあります。変えられるものから少しずつフェアトレード商品に変えていきましょう。

寄付付き商品

Donationと書かれたプレートで寄付を呼びかけている画像

寄付付き商品は、ネットで「寄付付き商品」と検索すると情報が出てきますので、興味のあるものやってみたいと思うものに参加しましょう。寄付付き商品とは、企業と共同募金会・NPO法人などが共同で主催しているもので、購入者が支払った商品代金の一部が、共同募金やNPO法人などに寄付される仕組みです。

企業によって販売商品・サービスはもちろん、寄付先の団体なども違いますので、商品と寄付先が自分に合っているものを探してみましょう。商品も買えて、寄付もできるなんてなんだか良いことした気分になれますよね。

人に配慮したエシカル消費

車椅子に乗った女性がデスクで仕事をしている画像

人に配慮したエシカル消費をおこなうには、障がい者就労支援を行っている企業の商品を買いましょう。ネットには、障がい者の作った商品を専門に扱っているネットショップがあったり、障がい者就労支援で作られた商品のカタログなどもダウンロードできるので、商品を買う場合は参考にしてみてください。

地域に配慮したエシカル消費

地域で作られた商品・サービスを利用したり、被災した地域で作られた商品・サービスを買うことで、地域に配慮したエシカル消費に貢献できます。ここでは、地域のものを購入する「地産地消」・被災地で作られた商品「被災地産品」の2つの分野についてお伝えします。

地産地消をおこなう

男子がオーガニック野菜を紹介している画像

地元で作られた商品・サービスを買うことで、地域経済の活性化やCO2・排気ガスの排出を抑えることに貢献できます。配送距離が長くなればなるほど、飛行機・船舶・トラックなどから出るCO2・排気ガスの量は多くなるので、できる限り地元で生産されたものを買って消費すること心がけていきましょう。

「地産地消」をおこなうことで、地域が活性化されてより良い商品・サービスが新たに生まれることが期待できますし、自然環境にも良い影響を与えることができます。今まで知らなかった地元の意外な一面や魅力などにも気づける良い機会にもなるでしょう。

被災地産品を買う

日本の被災した地域の画像

被災地で作られた商品・サービスを買うことで、被災地の復興支援に貢献できます。被災地産品を買うには、被災地産品を扱っているネットショップやアンテナショップで買うことができるので探してみましょう。

その土地でしか取れないものや土地ならではの食べ方など、新しい発見を楽しみながら、被災地の復興に貢献してみるのも楽しいですよね。

動物福祉に配慮したエシカル消費

牛が牧地で草を食べている画像

「アニマルウェルフェア畜産認証」ラベルの付いた商品を買うか、商品パッケージや販売サイトから生産方法を確認してアニマルウェルフェアに配慮した食品を買うことで、動物が動物らしい人生を送ることに貢献できます。

アニマルウェルフェアとは、動物が動物らしい人生を送るための次の「5つの自由」という基準を設定したものです。

  1. 空腹と渇きからの自由
  2. 不快からの自由
  3. 痛みや傷・病気からの自由
  4. 正常な行動を発言する自由
  5. 恐怖や苦悩からの自由

この「5つの自由」の基準を満たして作られた畜産業の製品に対して「アニマルウェルフェア畜産認証」ラベルは付けられます。ちなみにアニマルウェルフェアは畜産業だけに限らず、ペットや実験動物などあらゆる動物が対象になります。

日本ではまだまだ認知度の低いアニマルウェルフェアですが、動物の命を大切にする一歩としてアニマルウェルフェアの基準を満たした商品を購入しましょう。

まとめ

エシカル消費は、今地球が抱えている課題の多くの部分を解決することのできる手段です。それだけ、私たちが日常的におこなっている消費活動が地球・自然環境に大きな影響を与えている証拠だとも言えます。

「エシカル商品は高い」・「本当にエコなのか信頼できない」など、一歩踏み出せない思いもあるかもしれませんが、できることから一つずつやっていきましょう。普段の生活の一つの商品を変えるだけでも、長い目で見れば大きな貢献につながります。ぜひ、お気に入りのエシカル商品を見つけてみてください。

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